娘の七五三
え?この間三歳のをやったのに!?と思ってしまうほど…
年月は駆け足で過ぎて行きます。
七五三の準備を始めた頃…
母から、『あなたが七五三で着た着物でいいわよね?』と言われ、
『もちろん』と即答。
私が着てから、かれこれウン十年
それだけ経過していても鮮やかな色味。
綺麗を保てているのは母のお手入れのお陰です。
久し振りにご対面した着物を眺め、
ふと昔の記憶が蘇る。
正直…
私は幼い頃、この着物の色【朱色】が嫌いでした。
子供心に【朱色】は何だかしっくり来なくて、本当は赤が着たかったのを思い出します。
母によれば、この着物は呉服屋さんの手違いで違う色で仕上がってしまったとの事。
新しく仕立て直すには間に合わないのでそのままそれを受け取り、今に至ります。
ちなみに…
今となって解る【朱色】の色の意味。
稲荷神社では殆どが朱色の鳥居です。
朱色は生命の躍動を表すとともに、古来より災厄を防ぐ色としても重視され、
このため古くは御殿や神社の社殿などに多く用いられており、
朱色はとても神聖な色。
意味を知ると【朱色】の着物とのご縁がちょっと嬉しくなる。
そして迎えた 七五三 当日…
私のように着物に文句も言わず(笑)綺麗に着付けをして頂き、
私の着物ととても良く馴染んでいる娘。
まるで娘のために仕立てたみたいに…
母から子への着物リレー。
呉服屋さんの手違い、その出来事が今、感謝に変わる。
日常起こることの全ては、良いことも悪いことも入り交じり…
その出来事の意味を知るのは遥か先に待っているのかも知れません。
それがいつなのか…
全く予測は出来なくて、その意味と出逢うために歩み続ける。
今回の七五三
実は私も着物リレー。
母の着物を着付けして頂きました。
日本が洋服の文化となり
一着の着物が袖を通して貰える回数は数少ない。
だからこそ…
袖を通した時の重みを感じる。
その重みは、その着物に袖を通してきた人の人生の重み。
祖母・母・私・娘、4代健在の我が家
リーレー出来る着物はまだいくつもある。
今回私が母の着物コレクションの中から選んだのは
【アイボリー】色の着物。私の心が選んだ色。
七五三で着用してから、また大切に保管したい。
そう思っていたのですが…
呉服屋さんにクリーニングをお願いする際、診断して頂くと
『もうこの着物は今回が最後でしたね』とのこと。
さすがに40年前の着物。確かに金箔も剥がれてきている。
クリーニングをすると更に劣化するため、
泣く泣く今回のクリーニングを諦めることに。
残念ながらもうこの着物に袖を通しお披露目する機会は無いでしょう。
何事も始まりがあれば終わりはある…
それでも最後に私が袖を通せたこと、
リレーが出来たことに喜ぶ母。
私も嬉しく、ほっこりした気持ち。
物や人との出逢い、縁、そこにはいつか終わりがくる。
だからこそ、物を大切にすることは、丁寧に生きることに繋がる。
それを改めて感じられたひと時。
親から子へ伝えられて来たこと、
昔の人から現代の人に伝えられていること、
伝えるべきことがあるのは
きっとそこに大切な意味があるから。
その意味を知った時
温かい感謝の気持ちに包まれる…
今私が『伝える』を仕事にしているのは
生徒さんに何かが伝わり、何かに気付き、今あること全てに感謝し、
その温かいエネルギーが優しさや思いやりとなって更に周りに伝わればと…
クーリアでは『ありがとう』のリレーを大切にしたい。
この先もずっと…その想いを胸に。
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年内のワークショップ開催は終了となりましたが、年明けにまた開催させて頂きます。
(ご案内はこちらのサイトにて掲載致します)
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