昨日、友人からの電話で、しばらく会っていなかった友人が亡くなった事を知らされました。彼女の突然の訃報に・・・言葉を失ってしまった私。
なぜなら、彼女の死は自ら命を絶つことを選んだ『自殺』だったから。
亡くなった事への悲しみと同時に彼女の心の苦しみが伝わり、切なくて胸がぎゅっとなります。
普段遊ぶような友人ではなく、学生時代に知り合った仲間の一人。数年前に私の好きなイタリアンレストランで偶然働いている彼女と再会。学生時代に2人で遊んだことは無かったけれど、大人になって再開し、時間が出来たら今度ランチでも、と何度かメールをくれた彼女。私自身、この1年は忙しく、彼女とゆっくりランチする時間もなく会えずにいました。子育てと仕事を器用にこなす彼女は、母としてだけでなく一人の女性としても美しく、学生時代と全然変わらずいつも元気、心も体も強いイメージの女性です。ただ、学生の頃から家族との間に悩みを抱えたり、子育ても母子家庭で大変なのに、愚痴一つもらさない頑張り屋さん。そんな彼女を皆は時々心配に思っていたけれど、本人はいつも元気、さっぱりとしていて悩みなんて全く無さそうに見えるほど。
そんな彼女が死を選んだ理由には子育ての疲れがあったのではないかとのことでした。小学4年生の子供を持つ彼女は母子家庭で、両親にも頼らずひたすら一人で頑張り続けてた彼女。子供にも沢山の習い事をさせ、英才教育に余念が無く、ずっと子供のために頑張ってきたのだそうです。そんな頑張りの中、学校の先生から子供の生活態度を注意され、親の責任ではないかとの指摘を受け、もうこれ以上どう頑張っていいのかと行き詰ってしまったようです。自分自身の休息を取らず、日々の全てを仕事と子育てに費やし、頑張り続けた彼女。疲れてしまったんです。
子育てにはマニュアルなんて無く、日々やっている事が正解なのかどうかもわからない。そんな不安の中、頑張り続けることだけを支えに生きてきたのでしょう。
なのに、人の言葉は時に励まし、時に傷つける。何かが彼女を苦しめ、苦しさから開放される為に死を選んだのでしょう。本当に残念で仕方ありません。
誰か身近に話を聞いてくれる人や心が安らぐ場所は無かったのでしょうか?
彼女の場合、もしかしたら作らなかったのかも知れません。誰にも頼らず、一人で頑張り続けることが彼女の心を支えていたのかも・・・それが支えだと勘違いしていたのかも・・・彼女の死がその答えを意味しています。
人は出来れば心も体も強くありたい。
体が弱くなれば心の弱さにも気付けるのに・・・
体が強いと心の弱さに気付けない、本当は弱いのに、頑張らなくちゃと心を強く保ち続けてしまうもの・・・。両方のバランスを保つには、時に休息も必要です。
うちも彼女と同じ母子家庭ですが、協力してくれる家族、元気をくれる友人に囲まれ日々頑張っています。本当は、頑張りすぎず頑張っていると言った方が正しいでしょうか。たまに加速しすぎて休むことを忘れてしまったり、休むこと・立ち止まることに罪悪感を感じてしまったり・・・そんな時もありますが、そんな時にも周りから「疲れてるんじゃない?」とか「協力するよ」って言ってもらえる、そんな時に自分の疲れに気付き、思い切り甘えさせてもらう。それが無かったら今の自分は保てません。
日々カウンセラー・セラピストとして活動している私の目線から
彼女にも、もっと早く会って伝えられることが沢山あったのに・・・
でも・・・手遅れでした。
今日のレッスンの前に、朝から一人瞑想をし、彼女の事を色々思い出していたら、ふとこんな想いが過ぎりました。
「彼女はきっと今後悔をしている・・・」と。
まだこの世には、愛する我が子が居て、彼女を想う家族・友人が居て・・・
死んでみて改めて自分の周りにも自分を想ってくれる人が沢山居る事に気付いていると思います。死んでから気付くのではなく・・・生きている時に気付いて欲しかった。「あなたの周りにも沢山いたんだよ」って彼女に伝えてあげたい。そう思います。今の私には彼女の死を悲しむことよりも、彼女の死が意味している事、死を選ぶことが決して自分や周りを楽にすることではないと言う事を、同じように苦しんでいる人のために伝えてゆくこと。頑張り過ぎない、甘えたり頼ったりする自分を受け入れる勇気を持つことを伝えてゆく。自分が伝えられる事、聞いてあげられる事、それがどれだけの人の役に立つのかどうかはわかりませんが、今の私に出来る事で、皆さんの心が少しでも解放され、楽になれますように・・・。
人の誕生・そして死は必ず今生きている人へ何かしらのメッセージを残してゆくはずです。彼女の死も、何か意味があるのだとしたら・・・
私が感じたことをこうやって皆さんへお伝えすること、頑張り過ぎず頑張らない心の居場所を持つこと、提供すること。私のそんな気持ちを改めて強めてくれた彼女の死は決して無駄じゃなかった。そう思えるのです。
人間の死は・・・命を絶った瞬間にこの世に物体としての存在はなくなりますが、生きている人の心の中に新たに存在を強めてゆきます。それは時に様々な気付きを与えながら私たちの心を輝かせ、素敵な言葉を生み出すのです。
今の私に新たな気付きを与えてくれた彼女に・・・
天国へ心からの「ありがとう」を贈ります。