私をよく知る人からは
『またか？』と言われちゃいそうですが…
いつも小指にはめている小さなリングを無くしてしまいました。
冬になると寒さと乾燥で体は少し縮まり、指のサイズが変わってしまいます。
今までも度々紛失・発見を繰り返してきました。
冬になると抜けやすい。
わかってはいたけれど…また指からスポーンと抜けて、
スタジオ前の庭のどこかへと姿を消してしまいました。
皆で探しても見つからず…今回はさすがに若干諦めモードです。
『何かをなくす』と言う出来事は、とても心細くて切なさを味わうこと。
出来ればそんな思いはしたくない。
では、どうしたらそんな思いをしなくて済むのでしょうか？
答えは簡単。『何も得なければいい』のです。
元々無ければ無くす心配も不安も起こらない。
ではなぜ何かを得ようとするのか
そこには無くす心配よりも得ることの喜びを感じたいから。
『いつかは無くなる』それは命も同じこと。
人生の中で得ることと失うことは度々繰り返される。
その究極が命。
この世に命を授かり
皆から祝福されながら誕生する。
産まれてきた喜びは何事にも勝るものなのかも知れません。
私が無くした『小さなリング』
それは娘が大きくなったらプレゼントしようと思い
産まれて間もない頃にオーダーし、
裏には娘の名前とメッセージを刻印。
ずっと身に着けていました。
『大きくなったらあげるね』って言い続けて来たけれど
残念ながら今手元にはありません。
そんなに大事ならどこかに保管しておけば良かったのでは？
そう思われるかも知れませんが
それでは意味が無いのです。
指輪をはめた指で沢山娘と手を繋ぎ
数々の思い出と共に存在するリングだからこそ
いつかプレゼントしたかった。
このリングをオーダーした時
私の心には『無くしたらどうしよう』そんな不安は１ミリもありませんでした。
それよりも未来にワクワクして喜びに満ち溢れていたあの頃。
無くしてしまった今
私の心には少しずつ感謝の気持ちが湧いてきています。
もちろん、見つかれば嬉しいのですが
せっかくの想い入れのあるリングに悔しい想いを注ぎたくない。
だから…感謝と共に手放す気持ち。
想い入れのあるものは
日用品のように買い貯めは出来ない。
例え買い貯めが出来たとしても
そこにも必ず終わりは来る。
どれだけあっても不安は消えない。
なぜならば、得れば得る程…不安とは隣り合わせだから。
『何かを得るというのはそういうこと』
何かを得過ぎて
もしも不安に包まれたなら
一度手放し、シンプルになってみる。
それを得ようとした時の
自分の胸の中にある『～したい』を思い出してみる。
リングをオーダーした時の私の胸の中にあった
『～したい』
それは…
リングの裏に刻印したメッセージに込められています。
【Malulani】
ハワイ語で『神のご加護』と言う意味。
祈り、産まれてきたことは奇跡であり、
命を授かった全ての人はいつも神様に守られていると信じたい。
神さまと言う見えない存在があるからこそ
人は許し・祈り・感謝する。
その存在・その言葉を忘れたくない気持ちを
リングに刻印したことを思い出します。
リングは渡せないかも知れないけれど…
許す事・祈る事・感謝する事の大切さ、その想いは伝えることが出来る。
何かを手放したことでまた新たな希望が生まれる。
物があったことは
きっとそれを知るための通過点。
『何かを得ることは、きっと手放す時に気付く大切な何かと出逢うため』
何かを得るということはきっと…そういうこと。
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