生理痛

⚫︎生理痛が急に強くなりました。なにか異常があるのでしょうか?
生理痛に悩まされる女性はとても多いのではないでしょうか。
生理痛の個人差はとても大きく何も感じない人から寝込む程の苦痛を伴う人まで様々です。

⚫︎生理痛ってどうして起こるのでしょうか?
「出血しているのだから痛いに決まっている」そう思われるかも知れませんが、生理による出血は傷ができたから出血している訳ではありません。女性の体は毎月妊娠のために体を整えています。その周期を生理周期と呼びます。生理周期は25日〜38日と個人差があります。 ちなみに、生理という呼び方は医療用語ではなく、正式には「月経周期」と呼びます。この周期の中で妊娠のために子宮の内側にクッションを作るのですが、妊娠が成立しないとこのクッション(子宮内膜)を体が分解して外に排出します。これが、生理の出血(月経血)なのです。体自体に傷が付いている訳ではなく、子宮内膜を子宮の外に出すために子宮が収縮=極軽い陣痛のような作用を起こすために腹部痛が起こります。この作用を引き起こすホルモンをプロスタグランディンと呼びます。痛みによる苦痛が強い場合には痛みどめを使用しコントロールすることも大切です。痛みによるストレスはホルモンバランスに悪影響を与えるため、さらなる症状悪化につながり兼ねません。症状が軽い段階から先手を打っておくと良いでしょう。用法・用量を守り、月に数回使用するだけなら、痛みどめが癖になることもありません。痛みどめを使用しても改善しないような強い生理痛の場合、月経困難症という病名がつけられます。ここで気をつけたいのが月経困難症には「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」の2種類あるということです。

器質性月経困難症
・痛みを助長する病気が影に隠れている状態
・Ex.子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮の奇形

機能性月経困難症
・病気なないが、痛みを助長するなんらかの原因がある状態
・ストレス・体の冷え
・ホルモンの異常

この二つのどちらかが原因ということを確認するために、生理痛が急に強くなった場合にはまず婦人科の受診が必要です。婦人科というと敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、将来子供を授かりたいと考えた時に受診をしても手遅れとなる場合があります。気になった症状がある場合には怖がらずに早く受診をしましょう。病気が隠れていた場合には、その治療を始める必要がありますが、病気が原因ではない機能性の月経困難症の場合、体質の差はありますが生活習慣や体を整えることで改善できる場合もあります。

ポイントは冷えと血液循環
体の冷えは、血行を悪くして月経痛をひどくすると言われています。さらに、機能性月経困難症の一番の要因と言われているプロスタグランディンは、血管を収縮させる機能があります。そのため、さらに全身の血液の流れが悪くなり、生理痛だけでなく頭痛・肩こりなどの不快症状を悪化させていきます。そうすると、ストレスが溜まり精神的にも落ち込みがちに。体が思うようにならないと、引きこもりがちになりますよね。気分転換もできずさらにストレスが溜まる。ひどい場合にはこの悪循環になってしまう場合もあります。月経(生理)は、女性が活動的な時期を共に過ごすパートナーの様な存在です。月経が正常に毎月見られるということは、女性ホルモンのバランスが保たれている・妊娠できる体であるという一つのサインでもあります。毎月付き合うのであれば、嫌な存在ではなく「今月もきちんと来てくれた」と思いたいものです。そのためにも、自分の体の冷え・血の巡りに目を向けて生活習慣を整えてみてはいかがでしょうか。


子宮頸がん検査のすすめ
子宮頚がん検査は20歳を過ぎたら定期的に行うことが勧められています。予防するためのワクチンも普及しており、より早い婦人科の受診が不可欠になっています。このことも含めて、掛かり付けの婦人科を早めに見つけておくと良いでしょう。最近では女医さんしかいないクリニックなども増えています。