⚫︎便秘症について食生活で効果的なものはありますか?
便秘の主な原因は便のかさを増やしたり、腸内細菌のエサになる食物繊維が不足しておこります。 外食が多く食生活のバランスを崩していたり、ダイエットのため食事量自体を減らしているという方は食物繊維不足の可能性があります。国が定める食物繊維の摂取目標量は17g/日(生活習慣病予防のためには24g/日以上) これに対して、平成22年 国民健康・栄養調査では成人の1日の平均摂取量は15g未満/日と不足している実態があります。
食物繊維とは
体内で消化されない成分で、腸内環境を整え、コレステロールや糖質の吸収を遅らせる働きがあります。また、水に溶けやすい『水溶性食物繊維』と、溶けにくい『不溶性食物繊維』があります。 野菜や穀物、海藻に多く含まれており、種類によって働きが異なります。
水溶性食物繊維
・腸内細菌のエサとなり、腸内環境を健康に整える
・糖質の代謝を助け、血糖値の急激な上昇を防ぐ
・悪玉コレステロール値の低下に役立つ
<食材>
海藻・果物
不溶性食物繊維
・便のかさを増す
・有害物質を排泄する
・食べ過ぎや虫歯の予防に役立つ
<食材>
穀物、豆類、芋類
今の時期、特におすすめなのが「さつまいも」 電子レンジでチンするだけのふかしいも、加熱してから潰してサラダやスープにしたりと 料理のレパートリーも豊富です。是非、みなさんの食卓に加えてくださいね。 また、主食となる白米を玄米に変える、白米に麦(押麦、はと麦など)や雑穀(きび、あわ、ひえ、アマランサスなど)を加えることで手軽に繊維量を増やすことができます。
近頃は炊飯器で炊ける玄米や白米に混ぜるだけで雑穀米になる炊飯用穀類が市販されていて便利です。私も利用者の一人でして、雑穀米を一度に3合炊いて、余った分はおにぎりにして冷凍。 寝坊してしまった時の朝ごはんに、夕食前の息子の小腹を満たすのに大活躍です。最後に食物繊維はバッチリ摂っているのに効果が不十分と感じる方は水分が不足しているかもしれません。実は便の約60%は水分です。
便秘で便が長く大腸に停滞していると大腸に便の水分を吸収されてしまい、 便が固くなることで排泄が滞ることがあります。食物繊維と合わせて1日1.5~2ℓ(汁物などの料理も含む)を目安に水分を摂るよう心がけてみてください。
⚫︎冷え症にいい食事はありますか?
冷え症の人は血液の流れをよくすることが冷え改善につながります。
おすすめの食材は良質のタンパク質「肉、魚、卵、大豆、とうふ、納豆など」、体をあたためる食材『しょうが、ねぎ類(玉ねぎ、長ねぎ、にんにく)、芋類、れんこんなどの根菜類』、血液をサラサラにする食材「青魚、こんぶ、わかめ、きのこ、酢(大さじ1~2杯/日)、納豆、ねぎ類(玉ねぎ、長ねぎ、にんにく)など」、ビタミンEが含まれる食材「かぼちゃ、アボガド、アーモンド、ピーナッツなど」まずは、体を冷やさないために「甘いもの、脂肪分の多いものをできる限り避けること」、 「飲み物は常温以上で摂ること」、「果物は15:00位までに食べること」を気を付けてみてください。特に、これからの季節、朝ごはんにはあたたかいスープや味噌汁など汁物を積極的に取り入れると冷えに効果的です。
⚫︎妊娠しやすい体質になる食事方法はありますか?
妊娠しやすい食生活とは『何か特定のものをたくさん食べればよい』という単純なことではありません。授かりやすくなるには、妊娠の負担に耐えられる健康な体になることが欠かせません。
ホルモンバランスを整える
低温期は卵胞ホルモン・エストロゲンがメインででている時期なので、イソフラボンが豊富な大豆製品はそのサポートになります。1日に豆乳130g、豆腐100g、納豆1パック(50g)どれかひとつで十分。(摂りすぎに注意!) 高温期は質のよい血液をつくる、子宮内膜の材料となり受精卵の着床をたすける鉄を摂りましょう。 鉄が豊富な食材は赤みの肉、魚、あさり、納豆、レバー、青菜、海藻など。 加えて鉄は吸収が悪いのでビタミンCや葉酸と一緒にとると効率的。 つまり、赤みの肉、魚に葉野菜をプラスしたメニューがおすすめ。
卵子を元気に
卵子を元気にするには、卵子の質を悪くさせるという『活性酸素』を除去することが重要です。 そのためには抗酸化パワーの強い、β―カロテン(にんじん、にら、かぼちゃ、小松菜、しゅんぎくなど)やビタミンC・E(菜の花、ブロッコリー)を一緒に摂りましょう。また、ポリフェノールが豊富なりんご、柿、ブルーベリー、プルーン、カカオなどもおすすめです。
精子を元気に
亜鉛は精子の構成成分なので、精子の数をふやすことが期待できます。 また、男女両方の生殖機能を保ち、細胞分裂を促す栄養素でもあるのでカップルでとりたい栄養素です。亜鉛はカキ、牛もも肉、卵黄、ごまに多く含まれます。